HDMIをUSB Type-C DP Altで出力できるデバイスまとめ
最近ではモバイルディスプレイなどで「USB Type-Cケーブル一本で接続可能」といったデバイスが増えてきました。一般的に「USB Type-C→HDMI出力」に関してはUSBハブや変換コネクタなど多数ありますが、逆の「HDMI→USB Type-C出力」についてはカメラなどの映像系、AR/VR、液晶ペンタブレットなど「映像の入出力を行う機器のオプション」として販売されているものと他少数があるのみなので、情報まとめてみました。
映像出力の規格
通常、映像を出力する場合にはHDMIやDisneyPortなどを使用します、この映像信号をUSB Type-C経由で送信する規格があります。
USBはデータ通信、給電(充電)などに使われる規格ですが、USB Type-Cの規格には「オルタネートモード(Alternate Mode/Altモード)」というものがあり、USB Type-Cのケーブルで映像信号(Display Port)を流せるようになっています。
つまりUSB Type-Cという規格は「電源供給」、「データ通信」、「映像信号伝達」の3つの機能を同時に果たすことが可能になっています。
この「電源供給」と「映像信号」を同時に賄うことで「USB Type-Cケーブル一本で接続する」ことを可能にしています。また、Nreal AirなどのVR/ARグラスなどの映像入力が可能なデバイスでもType-Cで映像と電源をやり取りしているモデルがあります。
USB Type-Cケーブル経由で映像信号をやり取りするには、出力デバイス、ケーブル、入力デバイスのすべてがAltモードに対応している必要があります。
最近のノートパソコン等などではAltモードに対応したUSB Type-Cコネクタが付いていることが多く、その代わりに映像出力用の「HDMIポート等が物理的に搭載されていない」モデルも多くなっています。スマートフォンなども本体のUSB Type-Cコネクタから映像出力(ミラーリング等)ができるモデルも結構あります。
Altモードで映像信号が出力されている「USB Type-CコネクタからHDMI信号を取り出す」には「HDMI出力ポートが付いているUSBハブ(や変換アダプタ)」などがあればよいので、比較的簡単です。
問題は「モニタ(入力側)はType-Cで映像信号が入力可能だが、出力側がHDMIしか付いていないデバイス」を用いる場合で、この場合には「HDMIのデータをType-C Altモードの信号に変換するなんらかのデバイス」が必要になります。Type-C→HDMIのUSBHUBなどと比べて用途が限られているので、あまり普及している機器ではなく、スマートグラスなどのオプション機器として使われているものも多いです。スマートグラスなどをつなぐ場合、モニタ側(スマートグラス)に電源供給できるタイプのものもありますが、供給電力が足りないケースもあるので注意が必要です。
※HDMI「出力ポート」が付いてるType-C USBハブを逆差ししても「入力」にはなりません。変換コネクタ等も基本的にはType-C→HDMIへ出力するタイプなので利用できません
※※厳密にはAltモードで流れている信号はDisplayPort(DP)の信号なのでHDMIの信号とは出力解像度の上限等で違いがあります
※※※HDMI→Type-Cに変換するデバイスとして「(USB)キャプチャデバイス」というのもありますが、こちらは映像信号をカメラ映像(UVC:USB Video Class)に変換するデバイスで、入力(PC/スマフォ)側にOBC等の専用ソフトやアプリが必要になり、別の用途で使うものになります
※※※※iosでUVCがサポートされるようになったので、Type-c接続でipadなどをモニター代わりに接続することが可能になりました。接続にはUVCが使われるので、「UVC対応の(USB)キャプチャデバイス」が必要になります。参考:GENKI ShadowCast
HDMI→Type-C変換デバイス
スマートグラスやモバイルモニターの需要からか、変換コネクタも増えてきました。モニタ側に給電可能なものもありますが、上限などもありますので機器の消費電力、アダプタの供給電力などもチェックして選んでください。
Loryi HDMI to Type-C 変換ケーブル
ゲーム機をARグラスに接続、とうたわれており、多用途で利用できるケーブルです。大きな特徴は電源供給用にType-Cケーブルが独立していることで、ある程度までの消費電力の機器であれば給電・充電しながら利用できる可能性が高いです。ケーブルが煩雑になるので慣れるまでは使いづらいかもしれません。
サンワサプライ HDMI-Type-C(DP Altモード)変換アダプタ(4K/60Hz) AD-HD26TC
サンワサプライのアダプタ、5V2Aまでの給電ポート(microUSB)を搭載、とあるので、消費電力にもよりますがモバイルモニター程度であれば給電可能かと思われます。
GOOVIS HC2.0
GOOVISというHMDデバイスのオプションとして販売されているHDMI>USBType-CAltモード変換アダプタです。HMDデバイスのオプションというニッチなデバイスなせいもあってか、入手は安定していないようです。
Lemorele HDMI to USB Type C 変換アダプタ
GOOVISのアダプタと似たような構造ですが、Type-Cコネクタで給電が可能です。HMDデバイスに給電しながら使えるのは良いですね。
Wacom Link Plus
イラストやクリエイター用途で使われているWacomの液晶ペンタブレット用のデバイスです。入力がUSBType-C Altモードのみになっている液晶ペンタブレットにHDMI出力の機器を接続するためのデバイスです。
液晶ペンタブレットのオプション部品なので供給安定かとおもいきや、メーカー終売だそうです。
Amazonベーシック USB-Cディスプレーポートケーブル 双方向
AmazonブランドのType-C<>ディスプレイポートの変換ケーブルです。双方向なのでType-C入力のデバイスにも使える模様。映像出力側がHDMIではなくディスプレイポートなので注意。0.9mと1.8mのものがあります。
Club 3D CAC-1336
8K/30Hzや4K/120Hzといった高解像度&高リフレッシュレートでの映像出力をサポートする変換ケーブル。電源供給に対応していない(この手のデバイスではほとんどがそうですが)所為か「モバイルディスプレイは接続しないでください」との表記があります。
Elebase HDMIオス-USB-Cメスケーブルアダプター
MicroUSBケーブルで電源を供給するタイプの変換アダプタ。電源供給の詳細は記載されていないが、Nreal AirなどのARグラスや、モバイルモニタの動作報告もありType-c接続先機器への電源供給も可能な模様。
Lumen LAD-HMCFMF
Thunderbolt、最大3840×2160@60Hz( 4K120Hz 8K30Hz)、HDCP2.2対応を謳うモデル。MicroUSBケーブルで電源を供給する必要がありますが、アダプタ本体への電源供給に使用する為のもので、接続先デバイスのモバイルモニタ等には電源供給できない旨の記載があります。
Elebase HDMIオス-USB-Cメスケーブルアダプター
MSL hd2usbc
比較的安価ですが、電源供給(5V1A)用のMicroUSB入力コネクタがある珍しいモデル。ARグラスやモバイルモニタなど接続先への電源供給は安定しない模様。
USB – C USB 3.1デュアルポートPCI Express
変換デバイスではないですが、PCI Expressのコネクタが開いているデスクトップPCに直接Altモード対応のUSB Type-Cコネクタを増設するボードです。Type-c増設ボードは数多くありますが、 alternate-modeに対応しているのは希少です。
ASUS ThunderboltEX 4 カード PCI Express Thunderbolt 4
Type-cではなく上位規格のThnderboltコネクタを増設するボード。Thnderboltなので機能としては満点に近いですが、ボード自体が高価なのが難点。
Club 3D CAC-1333/CAC-1334
いわゆる変換アダプタに近いタイプ、ケーブルの長さ違いで2タイプ。Type-Cへの電源供給がされないアダプタなので、Nreal Airやモバイルモニタなど「Type-C経由で電源供給が必要なデバイス」には利用できないので注意が必要。