Let’s note QV8をAmazon整備済み品で中古購入してみた

Let’s note | ガジェット

Panasonicのノートパソコン、Let’s noteシリーズは新品で購入すると結構いいお値段になるのですが、企業向けに数が出ている関係で中古品は入手しやすくなっています。リース明けの端末が出やすい数年前のモデルであれば中古の値段もこなれていて、もともと頑丈さや品質の高さがウリなのもあって、中古品でも状態が良ければさらに数年使うことも可能です。
ということで、個人的に気になっていた、レッツノートQV8をAmazon整備済み品で中古購入してみました。

Let’s noteQVシリーズは兄弟機のRZシリーズと同じく、タブレットに変形するタイプのノートパソコンです。1kgくらいあるのでタブレット形状で使うことはまず無いんですが、(Let’s noteシリーズの中では)液晶画面が比較的綺麗なのがポイントになります。RZシリーズは長く使ってましたが、写真のレタッチやイラストレーションなどに使えるほどではないにせよ、普段使いレベルなら問題ない程度には発色が良いモニターでした。

個人的には外観のキズなんかはそこまで気にしないのですが、Let’s noteの中古品で代えが効きにくいのがモニターの劣化で、やはりここが酷いと使う気がしない/使えない、ので、一番気になるポイントにはなります。モニターの状態は外観写真でもわかりづらく、確認が難しいのですが、稼働時間に比例して状態が悪くなりやすいので、稼働時間を目安にする手もあります。

レッツノートはQVシリーズを購入するのは初めてですが、RZシリーズは新品・中古品含めて何台か購入しているので、中古品の状態比較、という意味ではRZシリーズとの比較が多くなります、ご了承ください。

購入したのはQV8ですが、QV9、QV1との差は主にチップセットやCPUで、処理速度にある程度違いがあるものの、内部スペック以外はほぼ同じものなので参考になるかと思います。

※Amazon整備済み品に関してはセラーによってパソコンの状態や品質について差異があると思われます。また中古品においては現状販売になるため、本記事と同じような状態のものが購入できるとは限りません。バラツキや当たり外れもあることをご了承ください。

Amazon整備済み品について

Amazonが直接扱っているわけではなく、中古販売店が扱っている中古品なのですが「Amazon整備済み品は、正常に機能し新品同様に見えるよう、Amazon認定出品者により整備された再生品です。」とのことでAmazonの一定のルールに即して品質が保証されるようです。

Amazon Renewed (Amazon整備済み品)

いかんせん中古品なので期待は禁物なのですが、そこまで大きい外れはない印象もあります。個人的には液晶の状態が使い物にならなかったら返品しよう、という目論見もちょっとありました。購入したのは「整備済み品 – 非常に良い」という状態でした。

ということで、実際にQV8が手元に来ましたので全体的にチェックしました。

稼働時間

BIOS(電源投入時にF2キー)から累積稼働時間を確認しました。まさかの5000時間切り。数年使ったリース開けの放出品なんかだと2万時間超え、なんてものもあるので、非常に短い方だと思います。

外観

なんか手触り変だな、って思ったら天板とパーム部に外観シール(?)が貼ってありました。
Let’s noteの筐体と全く同じ色のシールですね……これでキズ無し、みたいな扱いだとさすがにどうなんだ、という感じもしますが。下から傷だらけの筐体が出てくるか、と思ってシールはがしてみましたが天板とパームは小傷程度、裏面や角が若干スレや傷があるかな、という程度。

シールをはがしたところ
裏面や天板などにも小傷あり

これくらいなら別にシール張らないでも良いのでは、という程度でもともと傷は気にならないので全然許容範囲でした。

一番気になったのはキーボードでした。Let’s noteのキートップは滑り止め加工がしてあって表面がザラッとしているのですが、それが剥がれてキートップはツルツルになっていました。使い込みのせいか、キーの打ち込み時にも若干ガタがあるように感じられます。キートップのテカりは中古品にはよくありますが、3200時間でここまで減るのって物書き専用端末だったりしたんでしょうか。

文字打ち用途で購入したので、ここがヘタっているのは若干残念です。

モニター

最重要項目の画面の状態ですが、「非常に綺麗」の一言でした。
比較的稼働時間が少ないせいか、画面にキズ等なく、また液晶のヤケ・変色などもなく映りも綺麗でした。RZシリーズの放出品なんかは輝度ムラ、黄変、焼き付きなど結構あって、筐体の外観が綺麗でもモニターがダメで使い物にならない中古品も多いので、ここは嬉しいポイントです。

光沢液晶なので、反射防止フィルムを張りました。

バッテリーについて

アプリで状態を見てみました。

3割減、くらいなので十分じゃないでしょうか。Let’s noteはバッテリーが取り外し可能なので、最悪交換する手もあります。ACアダプタ経由で給電していれば、バッテリー抜いても稼働するので、電源がある前提で使う人は気にならないかもしれません。
RZシリーズに比べると全体的に球数が少ないのか、バッテリーもあんまり出回っていない印象です。あと値段も結構します、買い換え前提で考えていると予算としては結構上乗せされてしまうのが難点ですね。それでも正規品が定価で買えるのは嬉しいポイントです。

電源

純正のACアダプタが付属してきました。ACアダプタの他にType-C給電にも対応しています。それなりに消費電力あるので、モバイル用の小出力のアダプタやモバイルバッテリーだと、給電のみになったり、給電していてもバッテリー容量が減っていく、ということも有ります。
高出力のアダプタ等を持っているならば、スマフォや他の機器と兼用できるので便利ですね。

Let’s noteの電源コネクタは非常に頑丈でトラブルも少ないので、普段はACアダプタ利用、出先ではType-C給電、という感じで使っています。Type-Cコネクタメインで利用する場合には、頻繁に抜き差しすると故障や接触不良を起こすこともあるので、マグネットケーブル使うなどしてコネクタの抜き差しを減らす手ももあります。

ケーブル統一したい人はType-Cケーブルに繋げられるトリガーコネクタも便利です。

Windowsについて

Windows11proが標準でインストールされており、Officeのライセンスも付属していました。

コマンドプロンプトから、「slmgr /dli」で確認したところリテール版のWindowsProが入っていました。OSのライセンスの方は問題ないようですね。

パーティションも確認しましたが、ブートやリカバリ領域がシンプルに設定されています。SSDはwtm2-ssd-512gbとなってましたが、WINTENのSSDですね、SamsungのSSDとかが搭載されていたはずなので交換品のようです。

ライセンス確認して自分のマイクロソフトアカウントでログインしてから、「設定」→「システム」→「回復」からPCのリセットを行いました。別にやらなくても良いと思いますが、気分的な問題と、アカウントの切替などを後からやるとパス名等変わってちょっと面倒なので。

リカバリも問題なくできた=なにかあったら元に戻せる、ということなので、安心していろいろいじったりできますね。

Let’s noteに標準で入っているドライバや各種ツールはインストールされていません。ドライバの一覧見ましたが「?マーク」ついてたりとかドライバが当たっていないデバイスとかはありませんでした。

各種ツールはない方がすっきりとしてよい、という方もいるかと思いますが、ドライバ類は公開されているので必要に応じて追加するのが良いと思います。

導入済みドライバー | パナソニック パソコンサポート

個人的にはホイールパッド機能(パッドを円形にドラッグするとスクロールする機能)だけ使いたかったので、touchpadのドライバとPanasonicPC設定ユーティリティだけインストールしました(ユーティリティの方はAppストアの方からインストールなので注意)。

使用感

中古の状態というより、QV8自体の使用感です。

Window11は問題なく動くもののスペック的には今の時代的にはギリギリなので用途も限られると思います。ストレージはNVMeのSSDなせいもあって起動も速く、顔認証と指紋認証が便利で、起動から使い始めまでの時間はわりと短いです。アスペクト比3:2 WQXGA+液晶(2880×1920ドット)の液晶は発色も良く、縦長の画面は文章作成にも向いていて作業しやすく感じます。

CPUが第8世代(Core i5-8365U)、メモリ8GBであることを考えれば重たい動作は難しいですが、ネット閲覧や資料作成・文章作成メインの用途としては十分なスペックであると言えます。Officeも付いてくるのでその辺も人によってはプラス。
最近のN100などのモデルと違って、低負荷でも普通に発熱するせいか、文章作業等でもファンがある程度回っています。爆音というわけではなくファンの音はある程度抑えられているとは思いますが、静かな環境で作業する人には若干気になるかもしれません。

また消費電力がある程度あるせいか、バッテリーの持ちもそこまで良くないようです。運良くバッテリーに関しては比較的消耗が少ない機体でしたが、それを差し引いても2~3時間の作業でバッテリー切れ、という事もあるようです。Type-Cでも給電できるので利便性は良いのですが、電源使えない状態で長時間使う、というのはそもそも向いてないモデルだと思います。

厚みが結構あるので、カバンなどに入れるとそれなりに存在感があります。QVシリーズにジャストサイズのカバーやジャケットみたいなのを探すのは難しい気がします。自分はクッション入りのPCカバンにそのまま入れて使っています。

RZシリーズに比べて

一番の違いは画面の大きさとベゼルの広さでしょうか。QVシリーズが12インチ、RZシリーズが10.1インチと、そもそもの画面サイズが違うのですが、RZシリーズはベゼルの外枠が大きいので、思っているより画面が小さく感じます。発色や色合いに関しては大きい差がない気もしますが、RZシリーズの方が若干青に偏ってる気もします。

キーボードに関してはQVに関してはほぼフルサイズのキーボードです。RZシリーズはサイズの関係で詰まった配置になっていますが、長年普通に打ってたので違和感はないというか、交互に使うとQVはちょっと広く感じます。

スペック的にはQVの方が高いというか、CPUとストレージのせいか、RZシリーズは起動までの時間が結構長く「開けてすぐ使える」という感じではないのですよね。

軽さとバッテリーの持ち、静音性、コンパクトさ、などはRZシリーズの方が勝っていますが逆に言うとそれくらいしか優っているところがない気がします。RZシリーズ、ずっと使っていたしかなり好きなモデルなんですが、いかんせんスペックの限界を感じるのと、モニタのサイズ不足がどうしても気になって、さすがに普段使いにはキツくなってきました。QVはスペックにも余裕があるので、まだ使えそうな感じはあります。

中古市場で見ると、RZシリーズはピンキリというかかなり安いのもあるのですが、値段と稼働時間に応じて相応にヘタっているものも多く、モニターが綺麗なものはかなりレアだと思います。複数買って当たりが出たらラッキー、とか天板やモニターなど綺麗なパーツを流用してニコイチで使う、とかもやっていました。QVはそこまで中古市場で数はなく、また値段もRZに比べてそこそこの値段するので、あまり無茶な買い方はできないと思います。

追加でやったこと/できること

キーボード交換

キーボードのガタが気になったので、自分でキーボード交換しました。交換用キーボードは比較的安価なんですが、交換自体はQVを基盤を含めほぼ全バラシになって非常に大変だったので、分解等に慣れてる人以外にはあまりお勧めできない作業です。

天板シート貼り付け

傷は気にならなかったんですが、Let’s note特有のグレー天板が退屈に感じたので、カーボンシートを買ってきて張りました。キレイに貼るのは結構難しく、結構失敗もしましたが、色は気に入っています。

切ったり伸ばしたりが面倒な人は専用品を。

SSD交換
キーボード交換の時に分解しましたが、ネジ外して裏蓋外すだけでSSDに到達できるので、片面実装の2280サイズのNVMaSSDであれば交換は容易だと思います。OSのインストールはUSBからインストールしてドライバ入れるか、SSDのクローンなどで。

まとめ

中古以外でミニノートパソコン、というとSurface GoシリーズとCHUWI MiniBook Xあたりがライバルでしょうか。ゲーミングPCなんかも10インチサイズはあるんですが、10万円切る価格帯だと難しい感じです。Surface Goは値段とスペックのバランスがいかんともしがたい感じはします。MiniBook Xは値段も近いのでライバル感がありますね。

MiniBook Xは店頭で触ってみた感じは非常に質感も良く、省電力なCPUは静音で長時間使えてそれはもちろんメリットになると思います。QVシリーズに比べて薄いのは大きなメリットです。

中華PCに関しては、電源回り、バッテリー周りのトラブルが多く、特にCHUWIに関しては個人的にも世間的にもバッテリーまわりのトラブルをよく聞きます。特に廉価モデルのパソコンはバッテリー/電源関係のトラブルで1~2年持たない、ということも結構あり、またメーカによっては修理もままならない、ということも結構あります。

そういう意味では最悪バッテリーも交換でき、電源関係のトラブルも少ないLet’s note、というのは良い選択肢だと思います。Let’s noteの「ビルドクォリティが高く、頑丈で長持ち」という特徴は中古で数年使った分を差し引いても安心感があります。

そこまで高いスペックは必要無いが、頑丈でコンパクトな作業用パソコンが使いたい、と言う人には向いていると思います。

Amazonの整備済み中古PC、キーボードがヘタってる分他が良かった、みたいな可能性もありますが、個人的には当たり、と言っても良い個体でした。中古なので状態にばらつきがあるとは思いますが、Amazonの保証も付くのでその辺を鑑みて予算とマッチすればおすすめかと思います。

QVなら狭いデスクでも横に猫がいても安心