バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:パーツ選定編:YCF SM F155
- YCF SM F155関連記事
- バイクのジェネレータの発電方式の違い
- イグニッションコイル、プラグ、CDIをテストする装置の作成:エンジンをかけずにテストする
- カブ系エンジンのジェネレーター交換:YCF SM F155
- バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:バッテリー取り付け編:YCF SM F155
- バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:配線と実車作業:YCF SM F155
- バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:スピードメーターの取付、設定:YCF SM F155
- バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:ウィンカー、灯火類:YCF SM F155
- バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:パーツ選定編:YCF SM F155
- バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:準備確認編
- YCF SM F155について
YCF SM155(大陸製のレース用バイクを輸入したものを購入)を自分一人で電装系・保安部品の作成をしたのでその時のメモをまとめておきます。YCF SM F125/SM F155/SM F190はエンジン以外は共通点も多いので同様にいけるところも多いんじゃないかと思います。
ウィンカー、ヘッドライト、ホーンなどを取り付けるのですがまずは各部品の選定から。実際に使用したパーツや必要なものをまとめておきます。
※ほぼほぼAmazonで買いましたが、大陸直送のものは配送に時間がかかったり、あと不良品率もそこそこあるので、来たらチェックして必要に応じて返品・交換した方が良いと思います。
電装系パーツ
バッテリーと12V電源
車載するのか、するならどこにどう固定するのか、という問題も出てきますが、専用のスペースがない場合に無理やりバッテリー積む場合には小型な分リチウムイオンになると思います。過充電には注意。
12Vを得るだけなら、余っているバッテリー、12V出力できるUSBトリガーケーブル、12V指定で出力できるACアダプタ、12V電池、乾電池連結、などいくつか方法があると思います。
このバッテリーはサイズ・容量で結構選べるので、バイクに合ったものが購入可能です。シート下(裏)に収納しようとしましたが、難しかったのでサイドに固定しました。
とにかくスペースがない場合、最小サイズだとEvotecのものになると思います。容量少ないですが、とにかく小さい。あと高い。
配線組むときのテスト動作用に12Vが出る電源があると便利です。とりあえずバイクのバッテリーか、12Vの電源さえ用意できればとりあえずテストできるので、取り付けやケーブルの取り回しをする前に配線してテストしておくのをお勧めします。バイクが無い状態でも作業できるので「ある程度作っておく」「部屋で作業する」ということも可能です。
シガーソケットが付いているモバイルバッテリーを持っているのでそれを使いました。
RoyPowのものは小型なので、テスト用以外にも、これをバッテリー代わりにして車載する、という手もあります。
モバイルバッテリーなどから直接12Vを取り出せるケーブル。12V出力に関しては下記も参考にどうぞ。
メインハーネス
まずメインとなる配線ですが、今回はモンキーのハーネスを使いました。
自分で全部線を引いても良いんですが、ハーネスとしてまとまっていた方が手が付けやすいです。市販だとモンキーのものがシンプルで使いやすいかと思います。古いモンキーの配線図のコピーが付いてきました。
フルサイズのバイクでないので長さ等は問題ありませんでしたが、サイズの大きいバイクだと長さや位置が会わない場合には必要に応じて延長する必要があります。コネクタ等はそのまま流用も可能ですが、必要に応じて配線の変更や付け足しが必要になります。モンキーなど旧車の場合は、ヘッドライトはジェネレータから「交流のまま」直結してほかの電装系とは独立している、という構造のものもあるので注意が必要です。
灯火類はともかく、CDIやジェネレータ周りは別で配線したので使わない線も結構ありました。ジェネレータ交換までやるなら、結局全部自分で線作ってもあまり変わらなかったかな、と結果論としては思いますが、最初はハーネスがあった方が作業はしやすいです。
配線
0.75sqのもの使いました。赤黒のケーブルだけでやってたら後半かなりごちゃごちゃしてきたので、何色かあった方が良いかも。
ヒューズ
無くても作れますが、付けておきましょう。雑に作業してると、作ってる最中に短絡させちゃうことも結構あります。
メータ・スイッチ類
スピードメータ
極端な話、速度計だけ付いていれば良いですが、回転数や電圧、走行距離など、必要な機能によってメータを選ぶ必要があります。
燃料計とかギアポジションインジケーターとか、メータに機能はついていても、バイクから情報が取り出せない場合には只の飾りになってしまうので、あんまり多機能でも意味が無いかな、という気もします。
アナログの丸メーターよりもコンパクトなデジタルの方が合うかな、と思いデジタルメーターで探しました。選んだのは時計が付いていないせいもあって、待機電力が要らない&消費電力少ないらしいです。
電源落ちてもODOも問題無く刻まれる模様。最低限の発電量しか無いレース用のジェネレーターでも動く、とのことでしたが、自分のバイクは交流発電だったので別途12Vの電源を接続しました。スピードセンサー付きなので、設定さえちゃんとすれば速度もとれました。
LCDの欠けだったり、防水部分だったり値段相応ではあるので、届いたらすぐ動作チェックした方が良いです。防水加工は自分でやり直しました。
エースウェルの方がちゃんとしてそうですが、値段と、時計常時表示は逆にちょっとマイナスかな、と思って除外。
とにかく最低限でスピードだけわかればいい、という場合には、自転車用のサイクルコンピュータでも。内臓電池で動くので、別途電源とらなくて良いのが特徴です。
なんにせよ、走り出せるようになったら、スマフォのGPS速度計と比べたりしてテスト、調整はしておいた方が良いと思います。
スイッチボックス
ウィンカー、ライトなどのオンオフができるスイッチBOXを追加で付けました。
配線図無くてもテスタとかで調べれば問題なく使えます。チョーク用のスイッチはあったら便利かな、って思いましたけど結局使いませんでした。
電圧計
ジェネレータと連動させるようなら電圧計はあると便利です。作業中に簡易テスターとして使えるので複数あっても良いくらい。
メインキー
本来であれば鍵を挟む必要があるのですが、配線むき出しなのと、ロックはタイヤに別途付けていたので、鍵は形だけつけてみましたが配線しませんでした。メイン電源のオンオフはキルスイッチを流用するか普通のスイッチをつけておけばいいと思います。
灯火・保安部品
発電系(ジェネレータ)にはつなげず、まず12V電源(バッテリー)接続で動かす場合には消費電力を考えると灯火類は全てLEDになります。ジェネレータに接続する場合でも発電量に余裕がでるかは不明なので基本はLED統一で良い気がします。
6V車など「交流電流をそのままヘッドライトにつなぐタイプ」だと、LEDを交流につなぐとちらつくので「あえて電球タイプにする」というケースもあるようです。
ウィンカー
モタードとはいいつつほぼオフ車系なので当たっても曲がるものにしましたが、曲がりが結構固いので意味ないかもしれません。当たり前ですがLEDだとバルブと違ってプラマイ逆だと点灯しないので注意。
前後で4個セットものを購入。
ウィンカースイッチも必要になります。ウィンカーがLEDなので速度調節機能付きのを選択。安いのはすぐ壊れるので複数用意orちゃんとしたの用意しましょう。
ホーン
当たり前ですが、12vつないだ途端に大きい音が出ます。
リア・ナンバーステー
ナンバーステーとブレーキランプがセットのもの。
そのままだとフレームに固定が出来ないので、ステー等は別途作る必要があります。
法規上後方には規定サイズの反射板が必要なので、反射板が付いたステーも取り付け。
ナンバーと供締めです。
ミラー
折り畳みができる丸ミラーにしました。
ミラーとステーのネジサイズ(10mm/8mm)を揃えるのと、ハンドル経に合ってればあとは好みで。
ライト
LEDで光量がある程度有って、あまり大仰すぎないもの、というチョイスです。
テストしてみたところ一応ハイビームは左側メインで光るようで、光軸も多少配慮されている模様。オフ車だとヘッド部分にライトが付いているものもあって、それを組み込むという手もあると思います。小型車用ではないっぽいのでどうしても大きくなるという問題があるのでそこがネックでしょうか。
フォグライトをふたつ着ける、という手もあるのですが、ハイビーム・通常灯でふたつ着ける場合には法規上同じ側にそろえる必要があるようです。
油圧ブレーキスイッチ
ブレーキランプ点灯用のスイッチです。油圧ブレーキ用。YCFはM10/1.25MMのピッチでした。ケーブル根本部分の固定がほぼない(弱い)のでねじったりしないように注意。
治具/ステー
ナンバーやウィンカーの固定は、取付金具を組み合わせて作成しました。小さい穴はM4ネジが通るのが多いので取付金具どうしを組み合わせて固定したりできるので便利です。
工具類
工具/コネクタ類
圧着工具
いわゆる電工ペンチ、ニッパーとかカッターでなんとかなりますが、有ると圧倒的便利。
テスター
必須ではない、と言いつつも、バイクに配線した状態でトラブって犯人捜しをするととか必要になるので、最初から有った方が良いです。
ギボシセット
慣れるまでは結構失敗するし、配線のやり直しとかでも消費するので多めに、ケースで買った方が安いです。必要に応じて分岐端子なんかもあっても良いです。
平型端子セットはウィンカーやレギューレータなどの平端子に直接つなぐ場合に使います。
コネクタセット
汎用の2ピン~9ピンまでコネクタと端子のセットです。ギボシだけで良いかな、って思ったんですが、ギボシも何本かまとまると結構太くなると言うか、スペースもバカにならないので、コネクタで繋いだ方がシンプルになります。
圧着テープ
しっかり巻けば防水になるのであると本当に便利です。コネクタの隙間埋めや、ケーブルをまとめたり、とにかくありとあらゆるところで使いました。
ジェネレータ・発電周り
ジェネレータ(発電機)の交換には専用の工具が必要になります。また、レギュレータ・CDI等併せて交換が必要になるケースもあります。
ジェネレータの交換は下記記事を
「カブ系エンジンのジェネレーター交換:YCF SM F155」
実作業
パーツがそろったら各パーツの動作チェックをして実際に配線を組んでいきます。