バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:準備確認編

YCF SM F155 | バイク関連

YCF SM F155(大陸製のレース用バイクを輸入したものを購入)を自分一人で電装系・保安部品の作成、ナンバー取得までやってみたので、その時に調べた事を軽くまとめました。6V発電の古いバイクや、レース用などで公道仕様になっていないバイクなど、電装系や保安部品を自作する場合の確認事項やパーツの選定などの参考になれば幸いです。

※本記事に関して法的・技術的・安全面で問題ないかを保証するものではありません。確認/実作業は自己責任で行ってください。

法的な問題

電装系の前にそもそも公道走行可能なのか、の確認です。

ナンバー取得済み・ナンバー取得可能なバイク

既にナンバー付いていて保安部品がついてて電装系がちゃんと動いていれば公道走っても問題無いと思います。

125cc未満のバイク

いわゆる原付ですが、市区町村でナンバー交付しているので、書類揃っていれば結構簡単にナンバー取れることもあります。実車の確認など追加で手続きが必要になるかは、市区町村や担当の方などケースバイケースです。

125~400ccのバイク

輸入バイクであれば入国時の関税証明があれば登録自体は可能です。陸運局に行って普通にナンバー取りに行く手順は普通のバイクと変わりませんが、追加の書類や確認等必要になる事が多いので事前に問い合わせてみた方が確実です。

400cc以上

車検通す必要があるので難易度高いです。経験あるバイク屋さんに相談した方が良いです。

電力の問題

そもそも発電しているのか?

エンジンで発電している電源が6Vか12Vか、交流か直流か、バッテリーかコンデンサか、などを最初に確認しておくと後が楽です。

6Vで発電している場合

古いカブやモンキーなどはジェネレータで発電しているものの、エンジン部分(ジェネレータ)から出ている電源が6Vの場合があります。この場合、6V対応の電装系で統一するか、途中で12V変換する、あるいはジェネレーターを12V出力のものに交換する、などの方法があります。

12V発電している場合

レース用のFI車などでは、各部品の動作のためにエンジンのジェネレータから12Vの電力が出力されている場合も有り、その場合は電装系の動作も可能な場合があります。余剰電力にもよりますが、LEDの灯火とウィンカー類だけであればなんとかなるケースも。

発電していない(足りない)場合

GPXエンジンやレース用エンジンなんかはジェネレータついていても殆ど発電してないものも多いので、電装系の動作に必要な最低限の電力しか発電していなかったり、あるいは電力が足りない場合も多く、そのままでは電装系を動かせない事がありいます。
ジェネレータを発電量が多いものに交換する必要がありますが、ジェネレータを交換すると、それに合わせてレギュレータやCDIの交換などが必要な場合もあります。

バッテリーレス車

レース用などでジェネレータの発電で最低限CDI(やメータ)が動けば良い、みたいなタイプのバイクだとそもそもバッテリー自体が付いていない場合も有ります。バッテリーの代わりにコンデンサが付いていたり、まったく付いていない場合も。
一般的にジェネレータで発電した交流電流をレギュレータで直流に変換して電装系を動かすのですが、交流のまま最低限の電装で動いているバッテリーレス車なんかもあります。

ケースごとの対応方法

エンジンから12Vが出力されている

ジェネレーターがきちんと(直流で)発電していいて、電力量が足りている場合には、バッテリーに電装系を繋ぎ、配線することで電装系を動作させることが出来ます。

電力が足りない、そもそも発電していない

ジェネレーターを交換・取り付けする事で発電するようになったり、発電量を増やすことが出来ます。エンジンに対応するジェネレータが必要になるほか、発電方法が変わるとCDIとの相性問題も起きるので、トラブルが起きることも多いです。

バイクで発電することを諦める

ジェネレータで発電しながら使うから配線や発電量などややこしくなるのであって「電装系は独立させる」というプランです。エンジンが発電していなかったり、ジェネレーターの交換が難しい、簡単に公道仕様にしたい、という場合には、エンジンの電力を使うことを諦める訳ですね。
簡易キットとなんかだと、乾電池で動かすものもありますが、モバイルバッテリーを利用したり、12V電池を利用したり、と独立した電源で電装系を動かせば、仕組みそのものはシンプルになります。
当たり前ですが、走行中に充電できないので、バッテリーの定期的な交換・充電等が必要になります。夜に一切運転しない、公道の運転自体は短時間に限る、とにかく手軽に走り出したい、というケースでは有用です。
また、後々ジェネレータの交換などするつもりであっても、先に電装系だけ作って独立した12V電源で動かしておいて、あとでジェネレータとつなぐ、ということも可能です。

保安部品

スピードメーター、前後ウィンカー、ヘッドライト(ロー/ハイビーム)、ブレーキランプ(とブレーキスイッチ)、スイッチボックス、ナンバーステー(とナンバー灯)、左右ミラー、ホーンなどが必要になり、それぞれを結ぶ配線(ハーネス)も作成して接続する必要があります。またナンバーやウィンカーなどの各部品をステーなどを用いてバイクに固定する必要があります。

保安部品だけであれば、12V電源が取れていて配線さえできれば技術的にはそこまで難しくはないと思います(手間はかかりますが)。むしろ固定の為のステーの作成の方が難しいかもしれません(特にナンバーステー)。

バイクの電装系パーツを自作して公道仕様にする:パーツ選定編:YCF SM F155

誰が作業するのか

電装系の作成は、その辺のバイク屋さんに頼めば素直にやってくれる、というわけでもなかったりします。世の中のバイク屋さんは電装系はけっこう専門外というか、バイクの整備とは別系統の作業になるので、できる/やってくれるバイク屋さんというのもそんなに多くはないかと思います。

レーサー系のバイクの公道仕様を作成して販売していたり、YCFやMR150など輸入バイクの電装系自作しているところなんかに相談してみるのもひとつの手かもしれません。

GPXエンジンなどカブ系のエンジンであればジェネレータ交換もカブ系流用でそのまま出来たりするので、頑張ればなんとかなるケースもあります。

市販の保安部品キットなどもあるのでそれを使う手もありますが、追加で加工が必要だったり、割高だったりもします。
最終的には、やる気と手間を惜しまないなら、パーツをバラでいろいろ買ってきて自分でチマチマ作る、というのも手だと思います。