GPD WIN MAXのSSDを交換してみた

GPD WIN MAX | ガジェット

GPD WIN MAXには512GBのNVMe接続のSSDが内蔵されています。元々搭載されているのはBIWIN NS200という512GBのM.2 NVMe SSDのようです。

結論から言うとWIN MAXは「本体を分解することでSSDの交換が可能」です。

容量の大きいSSDに載せ替えるために、本体分解してSSDを交換してみました。

GPD WIN MAXに載せるSSDについて

WIN MAXは本体分解することでSSDの交換が可能ですが、基本的には容量UPが目的になるかと思います。SSDを交換する場合には本体内蔵スペースの関係で「片面実装のSSDのみ搭載可能」になっているので注意が必要です。

片面実装SSDの詳細は別途まとめましたので「GPD WIN MAXの内蔵SSD交換する 交換可能なSSD一覧」をご参考ください。

GPD WIN MAXの内蔵SSDの換装と交換可能なSSD一覧

今回用意したのは、SanDiskのExtreme Pro 1TB(WDS100T3X0C)なんですが、SanDisk名義とは言いつつWD SN750と同等品です。

 

詳細は上記記事の一覧を見て頂くとして、GPD WIN MAXに載せ替えるのであれば、1TBならWD Blue SN550 NVMeやWD Black SN750、2TBならばIntel SSD 660pあたりが良いのではないでしょうか。

 

OSのインストール・リカバリディスクの作成について

SSDを用意したら、交換したSSDにWindowsをインストールする準備をします。いろいろと方法はあるかと思いますが、GPDの方でも推奨している標準的な方法で。16GBのUSBメモリが必要です。

まずGPDのサイトからファームウェアとドライバーをダウンロードしてきます。ファームウェアとありますが、リカバリディスク(作成ツール)ですね。

「GPD WIN Maxファームウェア&ドライバー&BIOS-深センGPDテクノロジー株式会社」

 

USBメモリをGPD WIN MAXか、別のPCに刺し、PCから、USBメモリを右クリックして「フォーマット」を選びます。

ファイルシステムは「NTFS」でボリュームラベルは「 WINPE」にしてフォーマットします。ダウンロードしたファームウェアのファイルを解凍後、「WIN-MAX-OS-*******(*部分はバージョンによって変わります)」のフォルダの中身を丸ごとUSBメモリにコピーします。

Windows PROを入れたいなど、ファームウェアを使わない場合には、普通にWindowsをインストールしてから、公式からダウンロードできるドライバをダウンロード・解凍してインストールしていく手もあります。ファームウェア・ドライバ両方合わせても13GBくらいなので、16GBのUSBメモリがあればまとめて入ります。

 

GPD WIN MAXの分解・SSD交換方法

SSDの交換、GPD公式で「交換可能」とはうたっているんですが分解・交換した場合に保証がどうなるかのアナウンスはしてない模様です。購入ルート・代理店でも変わってくるかとは思いますので、分解・交換は自己判断でお願い致します。

※以下の内容は本体を分解する行為を伴う危険な作業です。メーカー・ショップサポートが効かなくなるだけでなくファンやSSD、本体を破損する可能性もあります。分解や交換に伴う破損などのリスク判断、実行は自己責任でお願いします。

GPD WIN MAXにはWindows 10 Single Languageがインストールされています。ライセンスの関係でSSDを交換する前にGPD WIN MAXを起動し初期設定時にMicrosoftアカウントでログインしておくとアカウントとWindowsのプロダクトキーの紐づけがされますのでやっておきましょう。Microsoftアカウントを利用したくない場合にはProduKeyなどのソフトを使ってあらかじめプロダクトキーを抽出しておく方法もあります。

※今回SSDの交換を行ったのはIndiegogo版です。大陸出荷版とIndiegogo版でSSDやファンの固定方法が若干変わっています。今後さらに仕様が変わる可能性もありますのでご注意ください。
※当初SSD交換時にヒートシンク外す方法を掲載していましたが、外さなくても交換できたので記事修正しています。

 

まずWIN MAXを裏返し、裏側のネジ9カ所と背面ネジ2カ所を外します。他のPCなどと比べてもネジ穴が非常に細いタイプでした、軸が細いプラスドライバー(精密ドライバー)などを利用することをお勧めします。

一か所封緘シールがはってありますので剥がす・こそぎ落としてネジを外す必要があります。

横面のヘリに沿って薄いヘラなどを挟み込み、裏蓋を外していきます。横からぐるっと一周させる感じで外していくのが良いでしょう。あまり強引に開けるとツメが折れたりするので一カ所づつゆっくりやりましょう。

ヘラはギターのピックなんかでもいけますが、専用品もあります。PC/タブレットをよく分解するひとはあると楽かもしれません。

 

バッテリーは裏面に接着されており、本体とバッテリーとをつなぐケーブルが存在するので、引きちぎらないように丁寧に開けます。バッテリーが付いている裏面はなにかで支えておくと良いと思います。

裏蓋を外すとふたつ付いている排気ファンの下に挟まるようにしてNVMeのSSDが装着されています。

大陸版などはファンのネジを外すだけでSSDの交換ができたようですが、ヒートシンクの留め金がSSDにかかっているのでヒートシンクを丸ごと外すか、もしくはSSDを横滑りさせることでSSDを外すことができます。

まずSSDを固定しているネジを外します。

SSDの右側(コネクタと反対側)をつまんで少し浮かせ、斜めに引き出していきます。

そのままスライドさせSSDを引き抜きます。動きにくい、引っかかる、という場合にはファンに付いているネジ4カ所も外すと少し余裕ができるかもしれません。

他の基盤や金属と接触を防ぐためか、もとのSSDにはカプトンテープ(耐熱絶縁テープ)が巻いてあるので、差し込むときの事故防止の面でも交換するSSDにもテープを巻いた方が良いかも知れません。手元に無い&用意が面倒、という場合には元のSSDに巻いてあるカプトンテープをはがして巻き直してしまう、という手もあります。

SSDにカプトンテープを巻いたら、逆の手順でSSDを取り付けです。左側(コネクタ側)にSSDをひっかけスライドさせながら奥に入れていきます。

SSDがヒートシンクを止めているネジに引っ掛かりそうになる場合にはすこしSSDを沈ませてうまく入れ込みます。

SSDがしっかりはまったらねじ止めして終了です。

SSDを交換したら、あとは逆の手順で裏蓋を装着、ネジで固定と逆の手順で戻していきます。

スライドする方法でSSDが引っ掛かって外れない、取り付けられない、などうまく交換ができない場合には、ファン・ヒートシンクを外してSSDを交換する方法もあります、その場合は下記記事を参考にしてください。

GPU WIN MAXのCPUシリコングリスを塗りなおす

Windowsのインストール

裏蓋をかぶせて通電チェックして問題ないようなので、先ほど作っておいたファームウェアUSBメモリをGPD WIN MAXへ挿して起動します。

SSDにOSがインストールされていないので、自動的にUSBメモリから立ち上がります。SSDにOSが入っている場合には電源投入時にF7キーを押せば起動媒体の選択画面が出るので、USBメモリを選択して起動します。。

特に断りもなく自動でWindowsのセットアップが始まります。しばらくすると再起動され、Windowsの初期設定画面(言語の選択やWi-Fiの設定など)が始まりますので、必要な設定を行えばインストール完了です。

無事新しいSSDでWindowsが立ち上がりました。

システム設定の「更新とセキュリティ」>「ライセンス認証」の項目などで「ライセンス認証ができません」という警告が出るかと思いますので、その場合にはすぐ下の「トラブルシューティング」を行うことでMicrosoftアカウントに紐づけられた認証が行われます。あらかじめMicrosoftアカウントアカウントでログインしていない場合には、コピーしておいたプロダクトキーを入力するか、有効なプロダクトキーを用意する必要があります。

ということで、無事SSDの交換が終了しました、これで容量にも余裕が出てゲームや諸々が捗りますね。

なお、リカバリを行った場合、SSDのパーティションがCドライブ(100GB)とDドライブ(残りの容量)に分かれてしまうので、気になる方はDドライブにデータを置く前に、パーティションをCのみに統合しておいた方が良いと思います。

GPD WIN MAX/GPD WIN3、ONEXPLAYERのDドライブの領域をCドライブに割り当てる方法

 

 

取り外したSSDについて

内蔵SSDを交換した場合、取り出したNVMeのSSDはバックアップ&予備として取っておくとか、別のPCで使う、という手もあると思いますが、USBのSSDケースに入れてUSB 3.1 Gen2(10Gbps)の高速なUSBストレージとして使うのも良いと思います。「SATA用」ではなく「NVMe対応」のものが必要です。

 

 

※Thunderbolt 3対応のNVMe SSDケースです。最大40Gbps、読み込み速度:2800MB/sと大変高速ですが、Thunderbolt3ポート専用なのとお値段が高いのがネック。