イグニッションコイル、プラグ、CDIをテストする装置の作成:エンジンをかけずにテストする
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ジェネレータ交換時にエンジンがかからない場合、ジェネレータ、CDI、イグニッションコイル、プラグなどのどこかでトラブルが出ていることが有ります。配線などの問題もありますが、正常に動作しているかわからない場合にイグニッションコイルの発火テスト装置を作ってみました。
ジェネレータを交換したのは良いが…
YCF SM F155のジェネレータ交換の番外編です。ジェネレータを交換しましたが交換後にキックしてもエンジンがかかりませんでした。SMF155はバッテリーレスのバイクなので最低限の発電だけしていて、本来搭載されていたジェネレーターから出ているのは、CDI/イグニッションコイル用の発電2本と、タイミングのピックアップコイル(とアース)の線2本しかないタイプでした。
交換したジェネレーター自体は「ミニモト 12Vジェネレーターコイルタイプ2」で、モンキー用なので、そのままの交換で行けるかな、と思ったんですがうまくいかなかったようです。AC発電で動作しているCDIを、DC用のものに交換してバッテリーも繋いでみましたが変わらず。
ジェネレータの出力にテスター当てながらキックすると、キックしたタイミングでピックアップコイルとジェネレーターからは交流電流が流れているので、一応ジェネレーターは動いているようです。
ジェネレーターやCDIを元のものに戻すと、キック一発エンジン始動するので、エンジン周りは問題なさそうです。ジェネレータ・CDI・イグニッションコイル、プラグと、どこが悪いのか、組み合わせなのか、ちょっと判別が付きづらい状況です。
プラグ外してスパークが飛んでるか確認もしてみましたが、キックしながらプラグの発火確認するのが、結構難しくよく分からなくなってきたので、テスト装置を作ることにしました。
テスト機器作成
キックやエンジンの始動でジェネレーターが回転すると、ピックアップコイルからエンジン点火タイミング用の電流が流れますが、どうやらこれはそれなりに「交流電流が流れればよい」らしいので、テスト用の交流電流発生装置として「自転車用世のダイナモ」を流用する、という手が使えるようです。
ということで買ってきたのは自転車用のダイナモです。試しに発電用のダイナモの回転部分を手でグルグル回すと、回したタイミングでLEDライトが光ります。動作確認したらライトは配線ごと取り外してしまいます。ライトとダイナモは線一本で接続していてこれがプラス、マイナス側は本体の金属部分がボディアースになっているようです。
このダイナモをエンジンのピックアップコイルの代わりに利用する、というのがテスト回路の本題になります。
これで「CDIーイグニッションコイループラグ」の関係を再現できるので、すべての機器が正常に動作している場合にはダイナモを回せばプラグからスパークが飛びます。
実際にDC用のCDI(12Vを利用するバッテリーを繋ぐタイプのもの)やイグニッションコイルなどを繋いでテストしてみます。
まずCDIにバッテリーの電源、ダイナモの出力をつなげます。最初はバッテリーの+極の配線は外したままにしておきます。マイナス(アース)はまとめてバッテリーのマイナスに接続。CDIのイグニッションコイル用の出力をイグニッションコイルに接続して、イグニッションコイルとプラグからもアースをとります。
ごちゃごちゃしてますが、これで良いはずです。
この状態に配線してから、最後にバッテリーの+極を接続して、ダイナモを手で回すと……CDIについている動作確認用のLEDは点滅するものの、プラグからスパークは飛びませんでした。
これは(テスト装置が問題無ければ)、イグニッションコイル、CDI、プラグのどれかが悪い、ということなので、ひとつづつ別のものに交換して見ます。別のCDIを調達してきて配線したところ、無事スパークが飛びました。
どうやらCDIが故障していたようです。CDIの初期不良か故障、あるいはどこかでショートしたのかもしれませんが、とりあえずCDI変えて動いたのでよしとします。イグニッションコイル、プラグなどをバイクに戻し、新調したCDIを配線してエンジンをキックしたところ、無事エンジンがかかりました。
ジェネレーター・CDI・イグニッションコイル周りは、動作確認や故障の切り分けがしづらいので、簡単でもテスト環境を作ることで原因究明しやすくなると思います。