カブ系エンジンのジェネレーター交換:YCF SM F155
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ジェネレーターはエンジンの回転を利用して発電をおこなう発電機ですが、レース用のバイク等では最低限の発電量しかない場合が多く、灯火類の電力を賄えなかったり、バッテリーレス車の場合には発電方法が特殊だったり、と問題が生じる場合があります。
また古いカブ/モンキーなど、出力が6Vなジェネレーターの場合、最近の12Vを利用する機器が利用できません。また、GPX125などの強化カブ系エンジンなんかも発電量や信頼性に問題があったりもして、ジェネレーターを交換することで問題が解決することができます。
カブ/モンキーのエンジンや、GPXなどの同系統のエンジンの場合、ジェネレーターのコイルベースが同サイズのものであれば交換可能です。ジェネレータの交換には対応する交換用のジェネレータが必要なほか、専用の工具が必要で、交換に伴ってCDIやレギューレータなどの交換が必要な場合もあります。
YCF SMF155の場合
まずYCF155はレース用なのもありますが、そもそもバッテリーレス車で、電子機器等使用していないので、ほとんど電力を必要としていません。本体には軽量のジェネレータがついています。
この軽量ジェネレータですが、交流で発電したものをそのままCDIに送っていて、そこからイグニッションコイルに繋がっているだけのものなので、それを利用して保安部品を動かすのはそもそも無理な感じでした。また、なのでジェネレータを交換した場合はCDIなども併せて交換する必要があります。基本的にはカブ/モンキー系エンジンと同等のものだったので、ミニモトのモンキーのジェネレータを用意しました。
コイル・フライホイールだけのものだともっと安いのもがありますが、交換するならコイルベースもセットで交換した方が良いです。
交換用にプーリーホルダー(かユニバーサルホルダー)とフライホイールプーラーが必要です。
取り外し作業
ジェネレーター部分だけとはいえエンジンのカバー空けることになるので、オイル抜けるようなら抜いておいた方が作業しやすいですが、バイクを倒すというか斜めにしておけばオイル垂れたりはしないのでオイル抜かなくても作業可能です。
まずエンジンカバーについてるボルトを4カ所外して、カバーを外します。
ジェネレーターから出ている線(コネクタ)を外しておきます。
ニュートラルケーブルだけ配線から抜いておきます。
次にフライホイールを外しますが、ジェネレーターはそのままだと回転するので、プーリーで押さえます。
ベルトで抑えるタイプのプーリーはしっかり固定しないとずれたり外れたりします。写真は固定が甘いのでその後外れました。
フライホイールを固定したら中心のナットを外します。結構ガッチリはまっているので、インパクトがなければできるだけ大きい工具を使った方が良いです。12.7mmのトルクレンチを使いました。ナットが外れたらプーラーはいったん取り外してOK。
フライホイールはテーパー上の軸に覆いかぶさっている状態なのでフライホイールプーラーという工具で浮かせて外します。
対応するサイズをねじ込んだ後にスパナでプーラーを固定して、十字になってる側を回していくと、フライホイールが外れます。
さすがレース用というか、小型のフライホイールなだけでなく、コイルも二つしかついていません。
次にコイルがついているベース部分を外していきますが、その前にシャフトに付いているウッドラフキーを外しておきます。
ウッドラフキーを外したら、コイルベースを外していきます。上下ネジ2点で止まっているので、これを外すのですが、このネジが柔らかくナメやすいので注意。一応再利用も可能ですが、ジェネレーターに同じネジがついていたので再利用せずに交換。
コイルベースの裏にオイルが入っているので外すときは垂れ注意。
これでジェネレーターの取り外し完了です。
コイルベースの外側にパッキンがはまっているのですが、ミニモトのジェネレーターはパッキンついてなかったので再利用します。
古いエンジンやジェネレータの場合にはパッキンも併せて交換しておくと良いと思います。
カムチェーンテンショナーのチェック
コイルベースを外すと、クランクシャフトとカムチェーンが見えるんですが、このカムチェーンを抑えている部品がカムチェーンテンショナーになります。このカムチェーンテンショナーやテンショナーを押し上げてるプッシュロッドの先端部分のゴムが結構ヘタるっぽいので、カラカラ音がするとか、消耗が気になる人は交換しておくと良いと思います。
※SMF125はモンキー系のカムチェーンテンショナー交換できるような話を聞いたのですが、SMF155のエンジンは構造違うようで流用できないみたいです。
ジェネレーターの取付作業
基本的には逆の手順でジェネレーターを交換していきます。
コイルベースにパッキンをつけてはめて、ねじ止めします。
ジェネレーターから出ている配線をある程度通しておきます。線の細さが違ったりして水が入りそうだったのでアセトンテープで養生しておきます。
フライホイールをかぶせる前に、ウッドラフキーを付けるのを忘れないようにします。
シャフトにウッドラフキーを付けて、フライホイールをはめて、ナットをはめます。再度プーラーでフライホイールを固定してから、ナットを締め付けます。
一応モンキーの場合は42Nmとのことなのでトルクレンチで締めました。
あとはカバーをかぶれせればジェネレータの交換は終了です。
同等品に交換した場合には配線を元に戻してエンジン・動作チェックになると思います。
SMF155の場合は発電方法が違うジェネレータに交換したので、配線戻しただけでは発電はおろかエンジンすらかからず、電力も取れなかったりと、その後いろいろハマってえらい時間を食ってしまいました。結局CDI、レギュレータ共に交換して発電できるようになりました。