スカイ・クロラ

8月 3, 2008 | Bucklog

as sky....
as sky…. posted by (C)kamo

見てきました。
OKまずは簡潔に、

散香かっこいい!ってかむしろ可愛い!散香かわいいよ散香!!
土岐野いい!愛嬌たっぷりで魅力的、中の人(谷原章介)ハマリ役というかそのまんま過ぎ。
西尾鉄也満載!芝居とか表情とかもうなんというか西尾テイスト堪能です。

良くも悪くも、って表現はあるのだろうけれど、自分の中では大切な映画になりそうです。

長くならないようにざっくり感想書こうと思ったら、めっちゃ長くなったので長居感想は↓から、一応ネタバレは無いです。


「ハードカバーいっぱいに青い空、そんな綺麗な装丁の小説を手に取ったのはもう何年も前の話で、読後に『言い様のない切なさ』みたいなものを引きずったのを、覚えてはいて」

「あの」スカイ・クロラを見てきました。

何が「あの」って原作が森博嗣、監督が押井守、音楽川井憲次……等々はさておき作督が西尾鉄也の「あの」スカイ・クロラですよ!!

全国一千万…じゃなかった一千人の西尾鉄也ファン必見。

公開初日の朝イチから見に行くとかどんだけ押井ファンだよ!とか自分でつっこんじゃいましたけど、正直何がファンって西尾鉄也ファンです。
アニメーターさんとかは全然詳しくないのですが、「人狼」でその名を知ったときに、忍空とかナルトとかGTOのオープニングとか自分が好きだったり気になってたのが結構西尾氏の手によるものだったりして、以来西尾鉄也ファンというわけです。

個人的にはその人物の細かい芝居や仕草、動きなんかがもう感動モノで、人物描写をみてるだけで十分楽しめた感じ。

ってまぁ冗談はさておきスカイ・クロラは、いわゆる戦争とその日常を扱った映画、なんでしょうか。空戦モノなのでざっくりわけて空戦(戦争)と地上(日常)の二つで構成されてる感じ。

レシプロ戦闘機(プロペラ機)のシーンは、エースコンバットとか空戦モノのフライトシミュレーターとかの経験者ならきっとグッとくる感じ。離陸や着陸時なんかの描写ではプロペラ機独特の良さみたいながあって、複葉機好きな身としてはそこも見所でした。

っていうか主人公の乗ってた飛行機(散香)、飛んでるときのシルエットがすごく格好いい、というかすごいかわいいかった。後ろにプロペラ付いてるシルエットというのは原作のままなんだけれど、他の機体とシルエットで区別がつくので絵的に良かったと思う、偶然なのかしら。

ってこんだけ言うとバリバリ空戦モノって感じするけど、メインは地上(日常)の方なのですよね、多分。
自分が見ている世界、他人が見ている世界、目の前にいる人が見ている自分、戦争というよりも、日常を普通に生きることそのもの自体に対する違和感が透かすように、淡々と描写されてる感じ。

まさか押井守の映画でラブシーンを見る日が来るとは思いもよりませんでしたけれど、そういった意味でも無機質的な描写です。もっともっとベタにやれば、ロマンスでもセンチメンタルでも行けそうなのだけれど、持って行かないのが押井守らしさでありますか。

一応架空ではあるのだろうけれど、舞台としてはまんまヨーロッパで、町並みや空気感、室内にいたるまで、ものすごく欧風(それも多分東欧よりの)で素敵でした。シノワズリー(ジャポネズリー?いわゆる中国趣味・日本趣味)な室内情景って東欧では結構普通に見られるのかしら、この辺日本人的なセンスでは逆に出ずらい感じ。壺に関しては演出的な意図も見えてる。

窓を叩く風の音、体を濡らす冷たい雨、どこまでも続く青い空もどこか冷たさをもって、と、このバカ暑い8月の初等に見ると冒頭ちょっと違和感もあったりするけれど。あえて8月初頭に封切りするあたり、ちょっと別の意図も感じます。

時かけが夏の映画、人狼が冬の映画なら、この映画は晩秋の映画なのかも。

日常の演出は見ている最中、「いつ終わるんだろう?いつまで続くんだろう?」と一瞬頭をよぎってしまったりなんかして、繰り返される日常と非日常というか「繰り返されること」というのテーマとしては個人的にはすごく納得できるんだけれど、5分に一回山場が来るようなハリウッドの文法とは真逆な感じ。

この映画、エンターテインメントとかどうか?って言われたら正直Yesでは無いと思います。北米でかけたらクレーム来るんじゃないかしら、でもヨーロッパでは大ウケしそう。

空戦に関しては勿論見応えが有るけれど、同時に物足りなさもちょっとあるし、日常の描写や全編を通じての緩急のなさ?みたいなのは人によっては苦しさすら感じるかもしれない。

でもきっと、僕はこの映画の中で見たシーンを何度も思い出すだろうし、その台詞やしぐさを忘れないだろうと思う。原作も独特の読了感のある小説であったけれど、映画の方はそれ以上になにか残るものがありました。
「スカイ・クロラのあとにDMCみたら全部どうでもよくなりそう」って一緒に行った友人と笑ったけど。

不思議と、数年前に原作の小説を読んだときと同質の感情を抱いていることを感じました。

以前と同じような、違うような、そんな繰り返しの日常。

そんな、明確に形にならない「なにか」を心に残す「映画らしさ」を感じた次第です。

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